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【TENET(テネット)】ニールはマックスなのか?海外批評家が上げる10の根拠

カルチャー

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「TENET(テネット )」ニールはキャットの息子?解説・考察します

クリストファー・ノーラン監督の作品の魅力は何より見終わった後“自分の考えを巡らしたり、人と議論したりできるディベートの議題みたいな映画であること”だと思います。

私は約10年前(!)「インセプション」を劇場で観て衝撃を受けて以来、すっかりノーラン監督作品の虜となりました。(私の中では未だに「インセプション」が人生で1番面白かった映画です。)

そんなノーラン監督の最新作「TENET テネット」。

難解なものが多いノーラン作品ですが、今作は群を抜いています。

特に1回目の鑑賞中は理解しようとすればするほど頭が混乱し、1度観ただけで完全に理解することは到底無理です。
このことからも、多くの人が2度、3度と映画館に足を運んだことでしょう。

この記事では「TENET テネット」において密かに騒がれている「ニール=マックス説」について、イギリスの映画批評チャンネル「Heavy Spoilers」の動画を基に考察したいと思います。

ちなみに私は今のところ2度の鑑賞を経て「ニールはマックスではない」という考えに落ち着いているのですが、それでも気持ちが大きく揺らぐ根拠がこの動画では述べられていたので是非日本語にしてご紹介したいと思い記事を書くことにしました。

3回目の鑑賞、はたまたブルーレイ発売後の特典映像などによっては私の見解は変わっているかもしれません…。

(※本記事最後にはこの説の論争にある意味で終止符を打つ、クリストファー・ノーラン監督のコメントに関しても言及しています。)

ニールの正体は…?「ニール=マックス説」を支える10の根拠

「TENET テネット」が日本で公開した直後、1番観られていた「ニール=マックス説」に関する動画がこちら。

イギリス人にしかわからないであろう地域レベルでの発音アクセント等まで言及されている点が、とても説得力を感じました。

賛同できる点、そうでもない点とありますが、私の見解も含めて全てご紹介したいと思います。

1. 主人公に初めて会った際「女性や子供を人質に取るか?」と聞いた

主人公に対し、キャットとその息子を守ろうとするのか、それとも2人の命を危険に晒すことを厭わないのか確認したかった。自分たちの命を守ってくれる気持ちが本当にある人物なら、その恩返しとして自分が主人公を守り通したいという思いがあった。

PLAN J magのキャラクター

このポイントは、そう言われてみればそうかもといった程度かなと感じました。
ただ、すでに未来で築いている主人公との絆があるのに、(時間を逆行して)ここまで来ておいてその確認が取れなかったらやめるということもないだろうという気もしました。

2. キャットの手当てを熱心にし、気にかけていた

物語の中盤でキャットが銃撃された際、医療班でもないニールがかなり気にかけている様子で手当てしていたことからも、母親への思いが感じられる。

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この点も、ここで別の医療班に任せたりしていると、映画のシーン的に3人にフォーカスできないのでそうしたまでではないのかなと思いました。
逆にキャットが危険な目に合っている時は、ニールは主人公ほどキャットのことを気にかけている様子ではないように見えました。

3. 主人公とニールの深い友情関係

ニールが主人公の飲み物の好みなども知っていることや、「When this is all over, if you still care, you can learn my life’s story.(この任務が全て完了した時、あなたがまだ知りたいと思うなら僕の人生について教えてあげる)」というニールのセリフから、ミッションの域を超えたプライベートなレベルでも交流があったことを予感させる。

TENETのエージェントたちはお互いについてほとんど知らないでいることを法(おきて)のようにしている。このことからも、主人公とニールの友人関係は組織を超えたものだったということがわかる。

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これはニールがマックスでなかったとしても、キャラクターの背景にあるストーリーの深みを掘り下げる熱いポイントになってくると思います。
しかしこの根拠は直接的にマックスへとは結びつく訳ではないですね。

4. 映画のラストシーンから伝わるメッセージ

映画のラストでプリヤを殺害した主人公のキャットとマックスを見守る姿から、主人公がこれから2人の人生の一部になり交流を深めていくことを予感させる。

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このシーンは確かに何か意図を感じました。
キャットとマックスの姿を見守る主人公から、これから世界を救うためにTENETを組織していく覚悟みたいなものが感じられます。マックスもその計画に巻き込むということなのでしょうか。

5. ニールは物理学の修士号を持っている

主人公がキャットとマックスとの交流を深めた結果、マックスを物理学の道へ導いたのではないか。

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この点が逆に私がニール=マックス説に賛同できないポイントなんです。
飛び級したのでなければ、修士号を取った時点でニールは24歳になっています。そこからすぐに逆行したとしても、10歳ほどの自分の時代まで遡るには少なくとも14年かかります。
修士号を逆行の世界で取得できない限り、それほどの長い期間を逆行の状態で生活することはあまり現実的ではないのかなと考えてしまうのが正直な気持ちです。
マックスがそれほどの年になるよりも、もう少し前に回転ドアが開発され、その時点で物理学のエキスパートだったニールをスカウトして数年逆行させたというふうに考える方が自然な気がするのです。

6. ニールがエストニア語を話せること、キャットとアクセントが似ていること

カーチェイスのシーンで、ラジオから聞き取れない言葉が聞こえてきた際、主人公はニールに対して「エストニア語を話せるんじゃなかったのか?」と聞く。

結果ここで流れていたのは逆再生されているエストニア語だったのだが、ここでポイントとなるのがマックスの父である今回の悪役セイターがエストニア人であるということ。

エストニア語は英語が母国語の人にとって習得するのが最も難しい言語の1つと言われており、幼少期から習得していない限り完全に理解するのは難しいという。

また、マックスの母キャットはイギリス人である。

同じブリティッシュアクセントと言えども、イギリスには都市ごとの方言や地域的なアクセントの違いもある。

キャットとニールのアクセントはその中でもとても似ており、この動画の製作者であるイギリス人の耳からすると少なくとも同じ地域出身であるとしか考えられないらしい。

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この根拠はかなり「ニール=マックス説」を固めにきてますよね…。
とくにイギリスの地域レベルでのアクセントの類似さはイギリス英語が母国語である人にしかわからないレベルなので盲点でした。
また、キャットを演じるエリザベス・デビッキはオーストラリア出身の女優で、様々なアクセントを操ることが得意だそうです。
その中でもロバート・パティンソン演じるニールにアクセントを寄せてきたのはやはり意図してのことなのでしょうか…?

7. ニールの身なりが良いこと

キャットの着こなしと通づるものがあり、生まれの良さを感じさせる。

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ニールは比較的かっちりした格好をしていることが多く、確かにいつも身なりが整っているなという印象を感じました。
それでもこれはキャットと結びつけるには少し弱い根拠かなと思います。

8. ニールに関するクリストファー・ノーラン監督の発言

インドのエンタメニュースサイトPINKVILLAのインタビューにおいて「ニールは複数のアイデンティティを持っているかもしれない」「ニールという名前は本名でさえないかもね」と監督自身が言及している。

もしニールがマックスでないとしたら、主人公とニールの将来的な関係性からしても、あえて偽名を使う意味が感じられない。

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これが最も核心に迫る根拠だと思いました。
監督がこう言っているのだから、意図的に仕掛けに来ていることは確かでしょう。
ニールが本名を伏せた理由は果たして何なのでしょうか…。

9. ニールとマックスの髪型が似ている

特別な理由がない限り、役のために髪を染めることが少ないロバート・パティンソンがニール役のために髪色を明るくしている。

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たしかにニールとマックスの髪色・髪型は似てるなと思いました。
でもそれならロバート・パティンソンと同じ髪色の子役を使えばいいし、または子役が髪を染めるパターンもあるので、この点は一概には言えないなと感じます。

10. マックスの正式名MAXIMILIENを逆から読むと…

マックスの正式な名前であるMAXIMILIENの最後の4文字を逆にするとNEILになる。

TENETは映画タイトルを始め文字の反転にもこだわっており、実在するラテン語の回文を使用している。
悪役の名前はSATOR(セイター)。その反転がセキュリティー会社の社名 ROTAS。ゴヤの贋作を描いたAREPO(アレポ)。その反転は物語が始まったオペラ会場のOPERAへと結びつく。

このことからも、マックスの名前を逆から読む際のNEILは偶然とは言えない。

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これは「ニール=マックス説」の一番有名な根拠ですね。確かに偶然ということは考えにくいです。
ノーラン監督の意図的な仕掛けの可能性が高いです。

TENET「ニール=マックス説」クリストファー・ノーラン監督の答えとは?

みなさん、ここでご紹介した根拠も踏まえた上で「ニール=マックス説」についてどう思いますか?

どちらにせよ、ニールと主人公の生涯の関係性と、ニールが歩んだ人生に思いを馳せます……。

ニールがマックスでなくても、主人公との深い絆がある信頼関係だったことは確かで、それだけで2人のあのラストシーンは熱いです。

ただ、ニールが本当にマックスだとしたら、主人公と世界を救うために少なくとも10年以上かけて逆行してきたと思うとより感慨深いものがあるのは確か。
映画のラスト以降に主人公が歩まなければならない未来も考えるととても切なくなります。

ノーラン監督は「インセプション(2010年)」のエンディングについてはっきり言及しないことからも、「ニール=マックス説」の答えをくれることは恐らくこれからもないでしょう。

正解・不正解がないことが正解なのだと思います。(2020年9月現在)

この“議論を呼ぶ仕掛け”こそが、ノーラン監督作品の持ち味でもあるのでそこは監督の思惑通りですね!

ノーラン監督、素晴らしい映画をまた世に生み出してくれてありがとう…!!!!


追記:2020年12月9日にアップされたMTVのポッドキャスト「Happy Sad Confused」にゲストとして出演したノーラン監督は、ニール=マックス説に関する自分の解釈を明かす気はないとコメントしました。

テネットの様々な裏話の他、ノーラン監督自身が大ファンの(意外な)映画についても語っている46分間のインタビューです◎
興味のある方は是非聴いてみてくださいね↓

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JESS

PLAN Jのグラフィックデザイナー。愛知県生まれ。
ここでは日々の生活にまつわる「これいいな!」と思ったモノ・コトを私なりにキュレーションして発信しています。普段は“生活を豊かにするクリエイティビティ”を基軸としたデザイン従事者。

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