コンセプトのあるホテル・ゲストハウス・旅館にはファンがつく！
ホテルやゲストハウスを運営するにあたり「宿泊そのものを旅の目的の1つにしたくなる空間」にできると、とても理想的ですよね。
クリーンな空間であることは選ばれるホテルの必須条件だと思いますが、ホテルは非日常を体験する場でもあります。
旅先だからこそいつもと違った雰囲気のインテリアに泊まってみたいと思ったり、旅の思い出にもなるユニークな空間を体験をしたいと感じる人が多くいます。
ホテルは生活空間ではないので、必ずしもシンプルでニュートラルなデザインである必要はありません。
むしろテーマやコンセプトがしっかりあった個性のあるホテルの方が、興味を持ってもらいやすく、SNSやWEB媒体等での情報拡散力も上がるのです。
思わず写真を撮りたくなる、ユニークでおしゃれなホテルは拡散力も大きい
また、たくさんの競合ホテルの中から若い世代を中心とした観光客に選んでもらうための差別化としても、ユニークさを感じられるブランディングをしっかり行う必要があります。
海外には遊び心が効いたコンセプチュアルなホテルやゲストハウス、コンドミニアムがたくさんあります。
今回は、その中で私がいくつかピックアップしたデザインホテルをご紹介したいと思います。
大規模なホテルではないからこその、こだわりの詰まったホテルをまとめました。
山々に囲まれた、絵本のようなデザインホテル「Hotel Eder」
息を呑むような山々の絶景に囲まれた、オーストリアのザルツブルクに位置するノスタルジックなホテル。
moodley designがブランディング・デザインを手掛けました。
長い歴史を誇るホテルですが、新しい世代がオーナー職を引き継いだと同時にデザイン面でのリブランディングを行なったそう。
ホテルの中の様々なグッズに展開される絵本のようなイラストと、実際にホテルが位置する場所の世界観がリンクしていて、泊まってみたい！という気持ちを増幅させます。
温かみを与えながらも色使いやフォントでパンチを効かせたデザインは、老若男女問わず受け入れられるアイキャッチ効果抜群のブランディングです。
歴史を引継ぎ、おしゃれに生まれ変わったホテル「Hotel Peter & Paul」
ニューオリンズに位置するHotel Peter & Paulは、元々カトリック教会・学校だった建物を改装して宿泊施設に生まれ変わりました。
ブランディングを手掛けたのはAlizée Freudenthal。
伝統的な雰囲気とホテルに不可欠なクリーンなモダンさを、上手く受け継ぎながら構築されたブランディング・デザインが秀逸です。
日本でも古民家をリノベーションしたゲストハウスなどは流行っていると思うので、是非参考にしたい事例だと思います。
ただきれいに改装するだけでなく、元々持っていたアイデンティティや新たに与えたテーマなどから、ホテルのコンセプトを見出すことで個性が生まれます。
豊かな自然とモダンさを両立させたブティックホテル「VISTA」
ワインの生産地としても有名な、カルフォルニア州ソノマに位置するブティックホテル（デザイナーズホテルと同義）。
Lazarisがブランディング・デザインを手掛けました。
ソノマの暖かい気候と美しく豊かな自然にモダンさを融合して、アメニティをはじめとするデザインに落とし込んだそう。
全体的にミニマルでシンプルなデザインですが、カルフォルニアらしさが伝わるカラーパレットがホテルの印象を暖かくユニークなものへと変えています。
モダンにブラッシュアップされた要素と、カラフルでもポップすぎない色合いがクリーンで落ち着く空間を演出できていると思います。
洗練されたブランディングが光る、海のゲストハウス「The SUNSETTER」
The Sunsetterはノースカロライナ州ライツビル・ビーチにあるコンドミニアムです。SOUL TWIN STUDIOがデザインを手掛けました。
ナチュラルで洗練された雰囲気のロゴ・ウェブサイト・写真などを見ていると、滞在したときの素敵なイメージが頭に浮かび、ここに泊まってみたい！という気持ちが湧いてきます。
こういった小さなコンドミニアムこそ、伝えたいイメージやこだわりを視覚的に正しく伝えることで、まだそこに訪れたことがない人の心を掴むチャンスが増すのです。
細部までこだわりが詰まったデザイナーズホテル「Casa Pancha」
メキシコシティの中心地に位置するブティックホテル「Casa Pancha」。
Latente Studioがブランディングを手掛けました。
世界中の人々に共感してもらえるストーリーを作ることを課題にし、デザインを模索していったそう。スローガンは「Mi casa es tu casa（私の家はあなたの家）」。
慎重に練られたサイネージ・ステーショナリー・ウェブサイト・インテリアデザインからは、親近感のある雰囲気とプロフェッショナルなホテルの絶妙なバランスが保たれています。
ゆるくて可愛らしいイラストや、単調すぎないカラーパレットがホテルの魅力を押し上げています。
小規模なホテル・ゲストハウスこそ、こだわれるブランディング
今回は、世界のホテル・ゲストハウス・コンドミニアムの素敵なブランディング事例をキュレーションしてご紹介しました。
これから宿泊施設の開業を考えている方、既存のホテル・ゲストハウス等のリブランディングを考えてる方など、参考にしていただけたらと思います。
ホテルはこうあらなければならない！という枠に囚われずに、１度自由にテーマ・コンセプトを模索してみると良いかもしれません。
１つの「らしさ」を見つけられたら、それを個性に変えてブラッシュアップし、ビジュアルに落とし込むことでホテルの魅力が格段にアップしますよ！
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Jessica Maiko Tam
PLAN Jのグラフィックデザイナー。愛知県生まれ。
ここでは日々の生活にまつわる「これいいな！」と思ったモノ・コトを私なりにキュレーションして発信しています。普段は“生活を豊かにするクリエイティビティ”を基軸としたデザイン従事者。
JESSICA M. TAM
PLAN Jのグラフィックデザイナー。愛知県生まれ
ここでは日々の生活にまつわる「これいいな！」と思ったモノ・コトを私なりにキュレーションして発信しています。普段は“生活を豊かにするクリエイティビティ”を基軸としたデザイン従事者。
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